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また耳の中で声が聞こえた。
「俺が誰だっていいだろう。そうだな、しいて言うなら王様だな。
そうだ、これから俺を王様と言え」
俺はきっと疲れているんだな。幻聴が聞こえるなんて。
明日からまた仕事だけど、休みでもとろうかな。
そんな事を考えていると、また声が聞こえた。
「おい!無視してんじゃねえよ!無視されたらなんか恥ずかしいじゃねえかよ!」
俺は、その声につい張り合ってしまった。
「耳の中でわめくんじゃねえよ!うるせえんだよ。ダイレクトに鼓膜に響くんだよ!」
そう言うと、また声が聞こえた。
「生意気な若造だな。まあいいや。
これから俺様がお前の耳の中に住んでやる。有り難く思え」
俺は何故かその一方的な言い方にイラッとして、反論した。
「頼んでねえのに勝手に住んでんじゃねえ!迷惑だから出て行け。
どうしても住みたいなら一ヶ月100万で住まわせてやるよ」
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