耳の中

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そう言うと、また耳の中から声が聞こえてきた。 「俺は王様だぞ。100万くらい安いもんだ。 よし、それじゃあまずは今月分の100万からだな。 ほい、ポストを見てみな」 俺は、半信半疑のままポストをのぞいた。 するとポストの中には、確かに100万円が入っていた。 「どうぞ私の耳にお住まいください王様」 俺は態度をコロッと変えて、そう言った。 そして続けて言った。 「ところで王様。なぜ王様は、お金を我が家のポストに入れられたのです?王様は私の耳の中に居るのに。 そもそもなぜ耳の中に居るんですか?」 王様は、自慢げに話しだした。 「俺はよ~、一種の超能力が使えるんだよ。だからお金を瞬間移動させただけよ。 それによ、俺は実体のない生命体なんだよ。空気みたいなもんなんだな。 人間からは、俺達を見れないわけよ。 だけど、俺達の種は確実に存在するわけさ。 なんで耳の中なのかって言うと、ちょうど居心地がいいんだよ。 ポカポカで、気持ちいいわけよ」
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