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Soul word!! その5
「――って遅いよ!!」
思い切り突っ込まれてしまった。
が、あまり驚いてもいられない。仮に魂を本当に失うのなら、“死”という単語に変な反応を見せないだろう。
ベイスは特に変な反応を見せない。
「っていうか、話の腰を折らないでよー。全然説明が出来ないじゃない」
「いや、だって、魂じゃん、動揺すんじゃん、普通」
正論である、と自負。
「そっ、そうだけど、シュンは普通じゃないんだから黙って聞いてよ!!」
「なっ……、俺は至って普通だ!!」
普通だと言い張るのは、異端者の始まり――だっけ?
非日常を望む者としては喜んでいいのかな、これは?
「普通じゃないよ、だって……」
「だって、何さ?」
「その説明をしようと思ってたら、シュンが口を挟むんじゃない……」
拗ねたような顔で後ろを向いてしまった。可愛いなコイツ。
「――わかったよ、じゃあちゃんと説明してくれ。とりあえず大人しく聞くから」
胡座をかき、頬には手を添え、膝の上で頬杖を突く。
ベイスはゆっくりと振り向き、渋々語り出した。
「もう、最初からそうしてよね。これだから人間は――ってもう、いいか」
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