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「……し・き、……し・き」
「えっ?なに?一体なにが」
「始まるぞ……レイヴンの儀式が……」
「儀式?なんだそりゃ」
章の儀式と言う言葉に棗は首を傾げたが
「ぎ・し・き!ぎ・し・き!ぎ・し・き!ぎ・し・き!ぎ・し・き!」
段々と大きくなる儀式コールに、レイヴンはオルコットに近寄るが、オルコットは何故か怯えていた
棗は近寄るだけで怯えるオルコットを不思議がったが、オルコットが何故怯えているのか、次のレイヴンの行動で明らかになり、棗はその行為に絶句した
何故ならレイヴンは、オルコットから装備の一部を剥ぎ取ろうとしているのだ
剥がれる側の神姫にしてみれば、それはオーナーから貰った大切な物を奪われるのと同じ事である
「いやぁぁぁ!やめてぇぇぇ!それは初めてマスターに貰った大事な物なんだよ!やめてよ!やめてったら!いやぁぁぁぁ!」
バトルフィールドに神姫の悲痛な声が響く。そして、非情にもレイヴンは頭部装備【プリンセスクラウン】を剥ぎ取り、高らかに勝鬨をあげる
そしてオルコットは、その後ろで泣いていた
泣いているのは負けたからではない、レイヴンの行った儀式によって、心をズタズタにされたからなのだ
こうなった以上、オルコットはもう二度と戦えないだろう
もし戦えたとしても、レイヴンには一生勝つことができないだろう
棗は、その惨い光景に吐き気を感じ。近くのトイレへ向かった
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