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「章、急ぐぞ!」
「は?ちょっと棗!」
棗はトイレから勢いよく出て急いで姉のいる素体売場に向かう、章もそれを追い掛けるが……
「っ!棗、左から人が」
「えっ、うわっ!」
章の注意も遅く、走っていた棗は左の道から来た人物に勢いよくぶつかり、派手に転んだ
「!」
そしてそのぶつかった人物も、尻餅をついて転んだ
「あたたたた、ご……ごめんなさい。ケガは……」
棗はそのぶつかった相手に謝る為に近付き、その人物を見て戸惑った
「……」
ぶつかった相手は棗と同じくらいの身長の女の子だった
ミステリアスかつ不思議なオーラを纏ってそうな感じで。その子は美しい黒髪と、それに見合った容姿を持っていた
しかし悲しい事に、胸はあまり無い
これで巨乳だったらどれだけ良かったかと棗は思ったが、それよりも先に善意な方が働いた
そんな女の子は怒っている様子もなく、ただ純粋な目で棗を見つめていた
「えっと……立てる?」
棗は手を差し延べる
棗の言葉に女の子はコクリと頷いてその手を取って立ち上がった
「……」
女の子は、棗にペコリとお辞儀をし。彼女は腰に掛けているポシェットをポンポンと叩いた
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