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拓が「善良な」生徒Aを担ぎながら言った。 「律、俺が保健室行くからお前は教師への対応適当によろしく」 「…遊がするよ」 そう適当に答えると拓が反論してきた。 「あいつは俺に対しては面白がって事をおかしくするから駄目だ」 「…僕がお前のフォローなんかすると思ってんの?ツイッターですらお前のことフォローしたくないんだけど」 「するね」 拓はみなをチラッと見て言う。 「仄、お前は俺らと仲良いよな」 「え?うん。なに拓キモい」 「キモいのはお前のネーミングセンスだ糞。…っつーことで律、よろしく」 「…」 なにも言わずみなの手を掴んで拓を後にした。きっとこの後僕は言われた通り拓をフォローする。それにイラついて堪らない。打算で繋がるこの関係が、このしがらみが、イラついて堪らない。 「律?どしたの大丈夫?」 「…大丈夫だよ」 ホッと笑顔に戻るみなを見て少し冷静になる。 そうだ、打算どころかこの組織は、創立意義からして思惑だらけじゃないか。 僕も例外ではない。 この組織は維持させなきゃいけない。僕の本質を、そしてみなの本質を知る為にも。
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