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『本日は、ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
只今、当駅におきまして人身事故のためダイヤに大幅な遅れがでております。
ホームへの立ち入りも制限されております。
皆さまにご理解と、ご協力をお願いいたしております。』
アナウンスは繰り返しながれている。
「梨華…なんか物々しくない?」
加奈子が改札の方を指差し首を傾げている。
改札付近には警察官が立ち並び、完全に立ち入りを防いでいる。
梨華、加奈子、母親の三人で時間をつぶそうと、駅構内の喫茶店へ入る。
すると、隣の席のサラリーマンが焦りながら携帯で話しだした。
「ですから電車は運休してるし、タクシーもこないしで動けないんですよ。他の者に行かせて下さい。はい……………良かったお願いします。
…………………はい。
原因は人身事故らしいんですけど、私が来たのが始発ですから…いったい何時間かかってるんだか。
では、お願いしますね」
サラリーマンは深いため息をついている。
『きゃぁぁぁ』
喫茶店の外から悲鳴が聞こえた。それも一人ではないく複数の叫び声が聞こえる。
梨華達三人は怯えながら店を出た。
すると駅構内は映画さながらのパニックに陥っている。
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