7人が本棚に入れています
本棚に追加
「これなんなの!」
「わかんないよ!お母さんどうしよう!」
梨華と加奈子は完全にパニックにのまれていた。梨華の母親も状況を把握出来ていなかったが、二人の手を握りしめ、人の流れている方へ走り出そうとした。
その時、梨華と加奈子の前には鮮血が飛び交う。
梨華の母親は胸から上がなくなっていた。
「おかぁぁさぁぁん!!!
……………い・いやぁぁぁ!!!!!」
「きゃぁぁぁ!!!」
二人の悲鳴が駅構内に響き渡る。流れていた人の群れも、二人のまわりから円を描くように退いていく。
その場にいる全ての人は、梨華の母親は食べられたのだと認識した。
梨華と加奈子の前には、牙をむき出しにし、その口からは血がしたたる化け物がいた。
身体は人間と大差ないが、頭が以上に大きい。
自らの身体と同じ位はあるだろう。顔の半分は口、もう半分は巨大な蛇のような目が占めている。
梨華と加奈子はもはや動くことができなかった。
化け物は、加奈子の腕を掴むとそのまま口へ運んでいく。
「やだ…やめっ…ぎゃぁぁぁあ!!! 」
ゆっくりと味わっているかのように、化け物は加奈子の肩までを喰らった。
加奈子は辺りに血を撒き散らしながら助けを求めている。
梨華と加奈子の目が合うと、加奈子は腹辺りまで化け物にくわえられた。
そして、噛みちぎられ、臓物と血をばらまきながら、梨華の視界から消えた。
最初のコメントを投稿しよう!