それは蕩けるような―

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「骸?」 ボンゴレアジトのバルコニーで空を見ながらそんなことを考えていたら愛しい人の声で僕は現実の世界に引き戻された。 「つなよし君…。」 僕はフッと優しくつなよし君に微笑んで見せた。 「考え事?」 「えぇ。少しだけ。」 つなよし君は僕と出会ってからの10年間で強く、そしてより一層綺麗になった。彼が戦う姿はまるで炎を燈した蝶を思わせる。 「そっか。」 彼はそう短く言い、僕の隣に立ち、彼もまた空を見上げる。 「お前と出会ってもう10年もたつんだなぁ…。」 ポツリとつなよし君は独り言のように呟く。
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