第二章 告白と裏切り

2/12
前へ
/18ページ
次へ
「危ね~。ぎりぎりセーフ。」 全力ダッシュのおかげでなんとか遅刻は免れた。 教室の自分の席につくと、男に渡されてから手に持ったままの黒い本を机の奥に押し込んだ。 遅れてきた誠も、ヘロヘロになりながら、なんとか俺の前の席にたどりついた。 「誠、大丈夫か?」 とりあえず余りに苦しそうなので聞いてみる。 「うん。なんとか・・・」 苦しそうに誠は答えた。辛そうにしている姿もかわいらしい。 本当にこいつは見た目で得をしてるよな。と思いつつ話しを続けた。 「そうか、とりあえず授業が始まるから、今朝の話しは休み時間にな。」 「うん・・・」 やっぱり苦しそうに誠は答えた。 授業が始まると、先生の話しを右から左の耳に受け流しつつ、今朝の出来事について考えながら・・・爆睡していた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加