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「危ね~。ぎりぎりセーフ。」
全力ダッシュのおかげでなんとか遅刻は免れた。
教室の自分の席につくと、男に渡されてから手に持ったままの黒い本を机の奥に押し込んだ。
遅れてきた誠も、ヘロヘロになりながら、なんとか俺の前の席にたどりついた。
「誠、大丈夫か?」
とりあえず余りに苦しそうなので聞いてみる。
「うん。なんとか・・・」
苦しそうに誠は答えた。辛そうにしている姿もかわいらしい。
本当にこいつは見た目で得をしてるよな。と思いつつ話しを続けた。
「そうか、とりあえず授業が始まるから、今朝の話しは休み時間にな。」
「うん・・・」
やっぱり苦しそうに誠は答えた。
授業が始まると、先生の話しを右から左の耳に受け流しつつ、今朝の出来事について考えながら・・・爆睡していた。
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