真美との関係

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その日は給料日だった。 夕方、高橋経理部長から、明細書だけ入った薄っぺらい封筒を受け取ると、俺はその中味を確認し、所定の経理部の書類に印鑑を押した。 総支給額の所を見ると、925421円と記載されている。 入社したての頃は、基本給からいろんな控除を差し引かれ、15万円程だったのに、今は違う。 別に何の努力もさしてした事も無い。 不思議な思いも、今は慣れてしまって、退社と同時に銀行へ20万円だけ降ろして、その当時付き合ってた真美へ電話を入れた。 『もしもし、俺だけど、飯食った?』 受話器の向こうから嬉しいそうな真美の声が聞こえて来る。 『ううん、まだだよ。今日来るって言ってたから、健太からの電話、ずっと待ってた…。 外で食べるんなら今から用意するから迎えに来てくれる?』 『イイよ。じゃあ30分程でそっちに着くから、下に着いたら電話するんで降りて来てくれる?あっ、それと祐樹も一緒に連れて来いよ!構わないから。』 『イイの…?祐樹喜ぶと思うけど、何だったらお婆ちゃんに見て貰うから…。』 『いや、イイよ。俺祐樹とトイザらスでおもちゃ買う約束してたから、守ってやんなきゃいけないんだ。』 『ありがとう…。祐樹喜ぶよきっと…。』 『じゃあ、下に着いたら電話するから。』 『わかった。待ってるね。』 電車通勤の俺は、会社の社名のペイントして無い方の営業車を総務課で一日借りる手続きを済ませて、その車で真美の家と向かった。
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