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俺は笑いながら
『そうか…じゃこれで勝負だな。』
『うん!』
祐樹は嬉しいそうに笑った。
それらの勘定を済ませ車に戻ると、真美は改めて俺に礼を言う。
俺は、後ろの席で自分よりも大きなおもちゃの入った袋を大切に抱える祐樹に今度は、何が食べたいか尋ねた。
『カレーライス…。』
祐樹が恥ずかしいそうに答える。
前に祐樹に1番好きな食べ物は、何か聞いた時、祐樹は大きな声で『ハンバーグ』と答えた事を思い出した。
子供心に遠慮してるのが妙に可愛くもあり、シングルマザーの生活ゆえの遠慮だと思うと、どこか哀しくとも思えた。
隣の真美が慌てて口を挟む。
『健ちゃん…。何でもイイのよこの子は。健ちゃんの食べたいもの食べに行こう。』
俺はわざと大きな声で
『祐樹~!ごめんな!健ちゃん今めっちゃハンバーグ食べたいねん!カレーライスは今度でイイ?』
祐樹はその言葉に最初は、キョトンとしてたが
『エ~ッ?ハンバーグ?イイよ!カレーライスは今度ね!』
と嬉しいそうに答えた。
国道沿いのハンバーグ専門のファミリーレストランに入り、食事を終えて帰りの車の中で祐樹はすぐに眠ってしまった。
『健ちゃん…。いつも色々とありがとう…。今日は楽しいかったわ。祐樹もはしゃぎ過ぎて疲れた見たい。でも、おもちゃの袋しっかり握って寝てる(笑)』
『真美…。いつも思うんだけど、祐樹と二人で健気に頑張ってる真美の俺は応援団長の様なもんなんだし、俺は真美の事一人の女性として愛してるんだから、愛する人の愛する人は、俺が愛して行か無きゃいけない人なんだと思う。上手く言え無いけど、真美の環境を全て引っくるめて、受け止めたいんだ…。』
そう言うと、俺は信号待ちで止まった車の中で、真美にキスをした。
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