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真美との関係
俺の勤める建築不動産会社は、従業員が150人程の中小企業だ。
主に注文建築と不動産の仲介業務に加え所謂、建て売り住宅の販売が主だった事業内容だ。
俺の名刺には、
[山下住建株式会社
営業本部
第二住宅販売課 京滋地区担当販売 係長
片岡 健太]
と、やたら長ったらしい。
しかし、当時は日本一億総不動産屋で、広告を打てば、即日完売も珍しく無かった。
給与査定の方法は、俺の場合 、固定給が193000円。
それに、例えば三千万円の家を販売し、仲介したとすると、宅建関係法規で定める手数料が買手から96万円。売主からも同額貰える。
即ち、192万円が手数料として利益に成る。
その20%の384000円が歩合給として基本給に上乗せになる仕組みだ。
それに加えて、自社物件を売った場合は、販売価格に係わらず一律で30万の歩合給がこれらの固定給に乗せられる。
簡単に言うと、二件の販売取引をした実績だけで、毎月百万近い給与を貰う事が出来る仕組みになっている。
当時はチラシや新聞広告の反響は凄まじく、一言の営業努力も無しに、勝手に客が並んで手付金を打って行った。
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