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「……」
「……」
少しの無言が流れる。
俺はドキドキしてだけど。
しかし、やはり無言に耐えれなくて、とりあえず一旦話を切ろうと息を静かに大きく吸い、「はぁ……」と溜め息を吐く。
「分かったよ。お姫様」
「……よろしい」
柔らかい微笑みを見せる馬鹿女。もとい、リーシャ。
ぐぐぐ。この微笑みが天使に見える。
くそ。俺はこんなの見た目だけで人に対する気持ちを変える人間だったのか。いや、中身も何だかんだで嫌いにはなれないところもあるが。
まぁいい。
俺のお姫様の命令なんだ。
やるしかないのは、今確定した。
「んじゃあさ」
「ん?」
さっきまでのちょい凛とした感じのリーシャから馬鹿女に戻った。
戻ってしまった。
なんかショック。
「んや、そのスズさんって人の情報、少しでもいいから頂戴」
「はぁ……あんた、ホントに知らないのね」
深い溜め息を吐かれた。
うるさいやい。俺は引きこもりだったんだい。
「仕方ないわね。ちょっとせこいかもしれないけど、私の知ってることはある程度教えてあげる」
「サンキュー」
素直に礼を言う。
情報という名の武器をくれるのだ。こいつ相手でも礼は言わないとな。
***
時は少し経って、俺はステージの上に経っていた。
俺が居るとき限定だが、ステージは障壁が張られ、大きな衝撃が起こっても見ている人には被害がいかないようになっている。
さっきまではいろいろと酷かったらしい。戦っている人より見ている人の方が被害があったりなかったりとか。
まぁ話を戻して、そんな俺の向かいには一人の女性が立っていた。
年齢は30手前だろうか。
指輪をしているところを見ると、既に結婚しているのだろう。
カイさんヒロイン予備軍ではないと。
そんでもって、やはり美人だが、どこか地味な感じもする。
つまり美人だが、他の隊員と比べると少し劣る気がする。
まぁ、隊長になるのに容姿端麗っていう制限はないので気にはしないし、気にし
てはいけない気がする。
てか、冷静に考えて戦乙女ってよくここまで容姿端麗の強い女性が集まったものだ。
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