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話をスズさんに戻そう。
この女性は、The 大人の女性 って感じらしい。
性格は温厚で優しく柔らかく面倒見もよく気遣いが出来て、厳しい時はしっかり厳しく優しい時女神のように優しいらしいこの女性は、性格だけで見ると非の打ち所がないとか。
容姿がワースト1だとすると(戦乙女の中でなので、単体で見れば普通にレベルは高いが)、性格はベスト1なのだろう。
だが、この人は俺の護衛に反対らしい。
理由は簡単。
大切な大切な娘のように大切なリーシャのためだ。
細かい理由は言わずもがな。
そんなスズさんだが、やはりキラキラとしたお目目で敵対心バリバリようなギラギラとキツい眼光を俺に浴びせている。
ドキドキ。
べ、別に睨まれて興奮してる訳じゃないぞ!俺はどちらかというとSなはずだし!
別に嫌じゃないけど。違った。間違えた。嫌だ。絶対嫌だ。死んでも嫌だから。
まぁそんな俺の今後の生き方を左右する事はどうでもいいとして、この様子じゃ俺は確実に認められてないのだろう。
別にいい。
手加減されるだろうから、そこを突けばすぐに決着は着く。
お姫様に勝てとは言われたが、いい勝負はしろとは言われてない。
出来るだけ早く決着を着けたいものだ。
「これより大将戦を始める!」
俺とスズさんの間に立っているAランクの審判を務める人が(若干ボロボロな所を見ると、戦っているのだろう。予想では負けた)手を挙げてそう言う。
いつの間に俺が大将になったんだよ。あ、そういや俺Sランクか。
御託は置いておいて、審判がそう宣言したことにより、周りの観戦する人の注目が一気に集まる。
同時に、スズさんの殺気が高まった。
俺?油断させるためにボケーっとしたふりしている。
俺と長年付き合って来た古株のギルド員から、「おいおいお前もう少し真面目にやれよ」と冷たい目を向けられ、そこそこ付き合いのある奴は「アイツやる気ねーな」と冷たい目を向けられ、俺を知らないギルド員や戦乙女の人は「アイツふざけてるのか」と冷たい目を向けられ、馬鹿女からは「殺すぞ」と冷たい目を向けられた。
ふむ。俺ってメンタル強くないから折れそうだわ(棒)
そんな事していると、審判が腕を上げる。
冷たい目をしていた奴らからも、緊張感が漂う。
そんな中、審判はその腕を
「始め!」
下ろした。
会場がどよめいた。
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