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スズさんの『分身』や『閃光』に対してまだ知識が完璧ではないから、警戒しててよかった。と、安堵のため息を一つ吐く。
情報整理。スズさんの『分身』は発動条件は恐らく無し。魔力を使えばいつでも、そして"どこからでも"出せると思っていた方がいい。
『閃光』に関しては、まだ油断は出来ないが、対応出来る程度の速度。いや、でも集中しないとキツイので疲れる。長期戦は嫌だ。
さっきのやりとりもスズさんの奇襲みたいなもので、話して油断を誘って俺の背後に『分身』を作り、一刺し！みたいな感じだったのだろう。
ふむ。もう帰りたい。
正直、ヘタレセンサーが無かったらもうそこで詰んでたし。もう負けでいいじゃん。とは口には出せない。
何故なら、あれ？案外いけんじゃない？的な期待の目を向けてくる俺の嫁がいるから。
この試合終わったらおっぱい揉んでやる。ぜってー揉む。最悪夢の中で揉む。
さて、話を戻して戦闘に。
今回の戦いは『閃光』と『転移』を持つ人間同士の戦いとは思えぬ程のテンポの悪さ。
なんか、こう、背中取って、だがしかしいつのまにか背中を取って、だと思ったら分身で、と思ったら逃げてて。とか、そんなスピーディーでグダグダ勝負になるかと思ったが、スズさんは後手でも対処出来る『速さ』があるためか、先手の時は打つ手を決めてから行動に移すタイプらしい。
まぁ、それは俺もだが。
とか思っていると、俺が座っていた『分身』が色を無くしていく。
元は魔力で出来た存在だ。仕事を終えたら消えるのだろう。
ん？服や武器も、いや、存在が魔力なら、魔力を通せない場所には『分身』は作れないよな。まぁ当たり前か。
なら、『紫』を使ってみる価値はありそうかな......
問題は、『紫』を使ってどうするか。
スズさんの動きをすこしでも止めれば、『無』が使える。いや、案外考え込んでいる今使ってもいけるんじゃね？いやいや、あれは決めれる確実に決めないと、一度バレたら決まりにくい。
なら、『紫』を使ってもじわりじわりと……いや、『紫』は魔法を一切通じなくする代わりに物理的な耐久力はほぼ無い。
いや、見る限り攻撃魔法を使ってこないし、魔法耐久力の無い代わりに物理的な耐久力がある『赤』と重ね掛すれば……いや、重ね掛するくらいなら『緑』でいいような気がする。
ふむ、まぁやれることは無くはない。要するに最終的に『無』で動きを止めれば勝ちだ。
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