任務開始(キリッ)

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そう、おそらくは王様の狙いは、国民の『不壊の砦』の印象操作。 俺に気を使ったのか、もしくはSランクという肩書きを持ちながらも悪名が多い事に対して、Sランク事態の名を下げない為の対策か。 何はともあれ、確かに騎士隊長は国の盾の象徴で、ギルドSランクは国の矛の象徴だ。 実力を持ちながらもその名をけがしてる。という状況をどうにかしたいのだろう。 だからと言って大切な娘を差し出すというのは些かやり過ぎな気がする。 あの王様はあれでも親バカだ。 おそらくは、俺とこの猿の相性が合わないのは分かりつつも、いや、分かっているからこそ婚約者として出したのだろう。 最初から護衛として俺を紹介していれば、ここまで仲違いはなかった。 つまりは、あの王様は可愛い可愛い娘を利用しつつ、守りつつ、Sランクの象徴を守るつもりなのだろう。 なんとまぁ、性格の悪いこった。人の感情を利用して。 しかし、やっとあの王様のしたいことは分かった。後は乗るかどうか。 護衛をしたからと言って、良い意味で名前が広まる訳ではない。 おそらく悪い意味で広まるだろう。 いや、待てよ。 もし、悪い意味で広まるとどうなる? 簡単な話だ。この国の反乱分子、他国と繋がった人間が行動を起こすチャンスだと思うだろう。 この国は小国ながら、戦力はトップクラス。 大国は今か今かと狙っているという話も聞いた事もある。 その為にこの国に、密偵やら何やらを送っているという話も聞いた事ある。 しかも少し前、俺も介入したカナを狙った国を三日で潰したという事もあり、警戒されてる反面実力を認められ、大国は更に狙っているらしい。 その為の、俺か。 俺の実力はあまり知られていない。 しかも、俺はギルドマスターの息子。 ほとんどの人間が、俺は親の力でSランクになったと思うだろう。 実力の無いであろう護衛と、王様の愛娘。 罠だと思わない限りは、狙うに決まっている。 だが、蓋を開ければ化物クラスの人間の護衛だ。自分でいうのもなんだが。 そして、数人か捕まえれば、『不壊の砦』の名がそれ相当の者だと広まる。つまりは、Sランクの中の不安要素もなくなる。 娘が護れて国も護られて名も守られる。 あの人が考えそうな策略だ。 恩人とか言われていたが、はやり駒は駒だ。 しゃーないか。 「分かったよ」
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