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「黒、龍…――っ」
直哉の顔が、一瞬だけど悲しみで歪んだ。
「やっぱり、黒龍の奴らだったんだ…」
クラスのみんなは、騒ぎ出す。
「理事長と10時に約束してんだ。
時間がねぇ。
そこ、退けよ」
「…――っあぁ」
直哉と和津沙が道をあける。
直哉の横を通り過ぎたとき、直哉にしか聞こえない声で……、
「久しぶり、直哉。
約束、守りにきたよ」
そう呟いた。
バッと振り返った直哉に、ニコッと笑って返した。
〝私だよ〟という思いをこめて…―――
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