約束の時

13/16
前へ
/81ページ
次へ
「黒、龍…――っ」 直哉の顔が、一瞬だけど悲しみで歪んだ。 「やっぱり、黒龍の奴らだったんだ…」 クラスのみんなは、騒ぎ出す。 「理事長と10時に約束してんだ。 時間がねぇ。 そこ、退けよ」 「…――っあぁ」 直哉と和津沙が道をあける。 直哉の横を通り過ぎたとき、直哉にしか聞こえない声で……、 「久しぶり、直哉。 約束、守りにきたよ」 そう呟いた。 バッと振り返った直哉に、ニコッと笑って返した。 〝私だよ〟という思いをこめて…――― ・
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11886人が本棚に入れています
本棚に追加