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「そうだ!!」
梓が再び何かを思いついたのか
手を叩くなり
「新さん!今から家に遊びに来ませんか?きっと両親も喜びますっ!」
いきなり過ぎる梓の突然の提案。
俺はあまりにも急過ぎて呆気に取られた。
「いや、それは流石に悪いよ。それに今は和也の事で大変なんだし」
俺には好都合だが悪まで今はアラタ。
遠慮の言葉の続きが俺の口から出る前に梓に再び抱き着かれた。
「…だからです。だから少しでも、少しでも良いから兄貴の事を覚えておいて欲しいんです!兄貴がいつ意識が戻るのかもしかして死んでしまうのかどうなるか解らない。だからせめて、せめて今日だけでも良いんです。家に来て下さい」
服を握る梓の手が微かに震えている。
そんな弱々しい姿に
とても断るなんて言えるわけがない。
むしろ、俺にとっては願ってもない事だ。
それにアラタだったら
こんな状態の梓をほっておく事なんか出来ない。
アイツは優しいから。
誰に対しても優しいアイツだったら
絶対に
こう言うはずだから。
「解った」
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