【初日】幸せのひと時

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『ねー?私が言った通り何とかなったでしょー?』 本日二度目。 指輪から聞こえてくる何故かハイテンションな謡の声に俺は何も言えない。 今、現在。 俺は自分の部屋に居るのだ。 正確には俺じゃなくてアラタがだけど。 しかし、うまく事が運び過ぎだろ。 借りた身体の正体はアラタ。 そのアラタと俺は幼なじみ。 幼なじみだから家族も昔からアラタの事はよく知っている。 それを最初から謡はそれを見通してたのかは知らないが 何故アラタの身体を選んだのかはきっとコイツしか知らない。 「だから『何とかなる』って事だったのかよ」 俺はまんまとコイツの手のひらの上で踊らされてたのか。 『いくらこの優しい優しい私でも2月のこの季節に外に寝かせるなんてそんな可哀相な事しないわよー!』 「だったら最初にそれを言ってくれりゃあ良いだろうが!!」 そうすればあんなに悩まずに済んだのだ。 『そんな最初からネタバレなんてしてたらサプライズの意味が無くなるじゃなーい!私のポリシーに反するのぅー』 (またポリシーかよ。) 最初に出会った時より180゚。 いや360゚ぐるりと性格が変わりすぎだ。 上から目線からの言い方だけは相変わらずだが。 『上から目線なもの言い方で悪かったわね』 「俺の心の声を読むな!!」 思わずそう叫ぶと 指輪の向こうから謡の吹き出す声が聞こえた。
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