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「…………っ……。」
死を迎えてから
どれだけの時間が立ったのだろうか?
ゆっくりと俺の瞼がピクリと反応をして
再び目を開いていく。
「ここは…何処だ?」
目の前に広がるのは
華やかな天国でも
ドロドロした地獄でもない。
まったくどちらとも取れない
見知らぬ場所に俺は立っていた。
目の前に広がるのは
有名なスポットを連想させる神殿とはたまた有名な神社みたいな鳥居と社。
置いてある物も和洋折衷。
まるで外国の観光スポットと美術館と神社が同時に此処に存在しているかのような場所だ。
良く言えば個性的。
悪く言えば邪道。
「ここを管理してる奴、どういう趣味を持ち合わせてるんだ?」
「いきなり来るなり、この場所を愚弄するなんて失礼極まり無い奴ね」
突如聞こえてきた声。
俺は驚きも隠せずに勢いよく振り向いた。
そこに居たのは一人の少女。
そんな彼女は俺を見るなり
クスッと笑って。
「あら、久し振りの迷い人?ふぅん、あんたが例のね…あのカレー廃人から話は聞いてたけど案外来るの早かったわね。ま、ここに来たのなら話は早いわ」
1人で一方的に話を進めると
クスリ、と形の良い唇に笑みを浮かべてこう切り出した。
「生きるか死ぬか、どちらか選びなさい」
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