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(なぁ、カズ。俺…好きな子が居るんだ)
高1のとある昼休みの時間に
アイツから打ち明けられて俺は自分の様に嬉しかったのを今でも覚えている。
昔からどんなことも話し合ってきたし相談もし合ってた親友。
たとえ、両親や妹とケンカしてもアイツの前では素直に自分の気持ちを話す事が出来た。
(おー!お前にもとうとう春到来かっ!?いいねぇ青春だなぁ!なぁなぁ相手はどんな子なんだ!?)
冗談混じりに日頃からからかってくる勝悟に今度は俺がからかう。
頭をウリウリしながら問い出すとアイツは顔を微かに赤くさせながら
(ほら…お前も知ってるだろ?2組の…眞中望(まなかのぞみ)
勝悟が口にしたその名は
俺も密かに想いを寄せている子の名前だった。
「あら、反論しないのね?」
俺の反応を待っていた様子に
顔を見ないまま
「…しないって解ってるだろ?絶対に」
俺が皮肉にそう呟くと
彼女は驚きの表情を浮かべたがすぐにフッと笑うと
「さてとあんたの個人的な内容はここまでとして話を戻すわね。さて、井上和也君。あなたは本来ならまだ死期はかなり先だししかも寿命を迎えたわけでもありません。何故、事故にあったと思う?」
脈絡のない質問をされ
俺の頭にクエスチョンマークが浮かぶ。
(確か、事故にあったのは…)
「俺の前方不注意か?」
「…本当に前方不注意だったの?」
そう言った彼女に
俺は事故に遭う前の記憶を頭の中で辿り始めた。
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