白雪

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灰色纏って 灰を被って 白という物 白という者 赤い実 赤い頭巾 お伽話に憧れて 君に言ったんだ 「私はお姫様」 もし君が困ったのなら 降り積もる雪のように 亀を助けた誰かのように 優しく君を包むよ 素敵な素敵な エゴイズム 慣れないヒール片手に 階段降りるよ さようなら王子様と 含み笑い 私の王子様は 魔法使いの君 白雪(シラユキ)にキスした 灰を被った 灰色の空 白い者の 白い物 赤い頭巾への 赤い実 お伽話に嫌われて 君が言ったんだ 「僕達の物語を作ろう」 大きな紙を広げて クレヨンで世界を描く 二人の世界を描く 最後は勿論 素敵な素敵な ハッピーエンド 食した毒リンゴ咥内に 舌を淫らに絡めるよ 嘘つき魔法使いは 含み笑い 君に溺れる 毒塗られ 白雪(シラユキ)にキスした 同じ物語なんか無くて 一人一人 主役で 君を救えるなんて 立派過ぎて 出来なくて それでも君は笑うんだ 「大好き」‥なんて 開いた本を閉じて 君の手を握った 降り積もる雪に笑みを浮かべる _
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