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「…舞台、25日まで入ってるんだ。
最終日だから…。」
俯いて小さな声。
それだけを絞り出す。
「あ…。」
「時間は?
終わってからでも…!」
必死に話すけど。
「…でも…ごめんなさい…。」
「なんっ…」
「直樹、CD置いてくから。」
まだ何か言いたげな雄ちゃんを制して、剛兄はそれだけ言った。
そのまま、2人とは別れた。
残されたCD。
表紙に写るファミリーは、去年から5人増えていた。
会ったことはないけど、毎週の放送や、剛兄や雄ちゃんの話で、よく聞かされた。
これからもっと増えていくだろうファミリー。
変わっていくヘキサゴン。
自分だけが止まってる。
これでいいのだと、諦める自分。
これでいいのかと、問いかける自分。
2つの自分が心の中で揺れる。
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