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もちろん、一番戻ってきて欲しいのは兄ちゃんふたりだろう。
だから、2人にCDを託した。
この歌を一緒に歌おう、みんなで楽しもうと。
だけど…。
とうとう、番組はフィナーレを迎えてしまった。
9時を過ぎる瞬間まで、ここを離れられなかった。
心なしか、みんなうかない顔をしていた。
みんな心のどこかで、同じことを考えたみたいだ。
上地は何度も辺りをうかがい、姿を探していた。
親太郎は昨日今日と、何度『羞恥心』といっただろう。
駅伝のラストの歌、『アラジン』を5人で歌わせたくなかった。
あちこちに、あいつの影を感じる。
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