第二章 救うための戦い

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――翌日 「ん……」 俺が目を覚ますと、そこには見慣れない天井が広がっていた。 (ここは……どこだ?ってか俺、心臓を貫かれたよな……ってことはここは死後の世界か?) 俺は起き上がって、部屋の隅にある古びた机の上を見た。そこには見覚えのあるが、血によって赤く染まっている服が置かれていた。 「これは……俺の服!?ってことは俺、生きてんだな……でも、あんな絶望的な怪我だった俺を……いったい誰が?」 「俺だ」 「ギルスさん!」 俺は辺りを見回したが誰の気配もない。とりあえず部屋を出ようと扉を開けると、そこには腕を組んで立っているギルスさんがいた。 「エルンは……エルンはいますか?無事ですよね?」 「エルンは……敵に連れ去られた……」 「なっ……」 俺はショックを受けて床に両手両膝をついたが、すぐに立ち上がって、家の出口に向けて歩き出した。 「どこに行く気だ?」 「どこにって、助けにいくんですよ!」 「どこにいるのかも分からないのにか?」 「そ、それは……」 俺は立ち止まって俯き、唇を噛んだ。 「エルンを返すことについて奴は、明後日の正午に遺跡におまえ一人で来いと言っていたぞ?」 「だったら遺跡に……「バカやろう……今行ったってお前の力じゃどうしようもない」 「ならどうすればいいんですか!」 俺は声を荒げて叫んだ。こんな自分が情けなくて、悔しくて…… すると、ギルスさんが俺の肩に手を置いて目線を合わせた。 「なら、俺と一緒に来い。奴の能力……そして戦い方そのものを教えてやる!」 ギルスさんは俺に短刀を手渡すと、立ち上がって外に出ていった。 「ま、待ってくださいよ!」 俺もその背中を追いかける。エルンを奴から救うために……そして、エルンを一生守り続けるために……
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