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サンスルス遺跡に着いた。
ここはいつも不思議な雰囲気を醸し出しているが、今日は僅かに邪悪な雰囲気が混じっている。
この中にエルンがいる……
「よし!行くぞ!」
俺は気合いを入れると、天井が崩れている遺跡に足を踏み入れた。
遺跡の中は非常に足場が悪い。
気をつけてないと転びそうなほどだ。
それでも俺はゆっくりと前に歩き続けた。
しばらく歩くと、目の前に広く開けた広場のような場所に出た。
それと同時に、あの時に感じた魔力も強く感じた。
「やっぱりここにあいつがいるか……」
「『ダークアロー』!」
背後から闇の矢が放たれ、俺はそれをギリギリで避ける。
その直後、広場の中央に闇が集まり、その中からあの男が出てきた。
「よぉ。ちゃんと一人で来たみてぇだな……感心感心」
男は周りを見渡すと、顎に手を当てて頷いた。
「エルンはどこだ……」
「アイツは俺の特別ステージにいるぜ……ただ……正気を保っているかどうか知らねぇがなぁッ!」
男が剣を抜き、俺に迫る。俺はそれを左の短刀で受け流すと、左の短刀でなぎ払った。
しかし、当たったはずなのに男の体には傷一つなく、男は再び広場の中央に戻った。
「どういう事だ!?お前、エルンに何をした!」
俺は男に向けて右の短刀を怒りを込めて投げた。
しかし、その短刀は男の腹を通り抜け、カランと音を立てて地面に落ちた。
「なに、ちょっと闇の魔力を注いだだけさ……人一人の性質を変えられるギリギリの量だがな……」
「性質を変える!?ふざけるな!なら、俺はお前を倒して早くエルンを助け出す!」
俺は、ニヤリと笑った男に左の短刀の先を向けると、短刀を構え、男に向けて全力で走りだした。
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