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「う……」
クレスが目を覚ます。またバカな話を聞かされるかと思っていたが、クレスはまじめな顔で私のことを見つめている。
「な、何?なんか不気味なんだけ……「静かに。なんか声がする」
クレスが手で私の口をふさぐ。クレスに言われたとおりに静かにして耳を澄ますと、何人かの声が聞こえてきた。
「今、エリックとユリンっていないんだろ?だったら今のうちに憂さ晴らしちまおうぜ」
「あいつらには妹とか弟がいたらしいが、この家には誰もいねぇみてぇだな。さっさとやっちまおうぜ」
「でも、帰ってきたらどうするの?」
「なぁに、そうなったら隠れてる奴らを呼べばいい。あの数なら兄貴や姉貴に頼りきりだったあいつらには何もできないさ」
聞こえてくるのはなんとも卑しい会話だった。
「もう……あったまきた!行くよ!クレス!」
「ちょっ……もうちょっと見て対策を……はぁ、仕方ないなぁ~……俺も行くよ!エルンちゃん!」
私達は頭に血が上っていたせいか、何の対策も立てずに男達の目の前へと飛び出していった。
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