第一章 不穏な影

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しばらく戦い続け、疲労がたまってきて、私とクレスは肩を上下させていた。 「大丈夫?クレス……」 「俺の事心配してる場合かよ……少しは自分の事も心配しろ……」 「そうだね……あらかた片付いたようだから、あとは頼むよ……」 私はクレスに微笑みかけるとゆっくりと瞳を閉じた。 (さて、これからが大変だな……) 俺はボスを含め残り3人となった敵を見て、再び短刀を構えた。 「うおぉぉっ!」 「ぐあっ!」 「ぎゃっ!?」 俺は残りの雑魚2人を片付けると、相手のボスを見つめた。 「さて、後は貴様だけだ。大人しく負けを認めろ」 「くくっ……はははっ!誰が負けを認めるかよ!せっかく力を手に入れたんだ!アイツに復讐するまでやめはしないさ!」 ボスの男は大声で笑うと、ゆっくりと視線を動かして俺を見据えた。 「そんなにエリックさんが憎いか……なら、俺も容赦はしない」 「好きにするがいいさ。どうせ、お前の攻撃は俺には届かない」 男はゆっくりと歩いてくると、剣を抜いて縦に振った。 「危ねっ!くそっ!こっちもやってやるよ!『ロック・アロー』!」 俺は振り下ろされた剣を短刀で受け流すと男の腹に手を当て、直接石の矢を放った。
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