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近江での接待担当は丹羽長秀である。
彼もまた家康をまるで貴賓を迎える様に慇懃に持て成した。
家康の家臣達はすっかり心を良くし態度が図々しくなる者も現れた。
『ようやく尾張殿も我ら三河衆の有り難みがわかった様な…』
家康や直ぐさまその家臣を呼び叱り付けた。
『こなたらは…招かれた客などと決して思うな。ひたすら恐縮しておれっ』
家康は接待を行う側以上に慇懃に低姿勢で臨んだ。
尊大な態度を信長が喜ぶはずもないし、これこそが家康が信長に対しとってきた一貫した態度でもあった。
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