事の発端は、元カレ。

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「……ごめん、 俺、好きな人できた」 「は………?」 しとしとと雨が降り注ぐ秋の夕暮れ。 傘をもっていた私の手は 驚きで一瞬にしてゆるんだ。 パサ…ッと、虚しい音を立てて傘が地面に落下した。 傘をなくした、 私の頭上に静かに降り注ぐはずの 冷たい雨の感覚を感じる前に 目の前の男から言葉の冷水をかけられる。 ただ一言だった。 「別れよう」
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