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「終わった…んだ…」
ボソッとそうつぶやいてから傘を拾い上げ、
時雨の中、操り人形のように私は歩き出した。
天堂 木葉(テンドウ コノハ)。
地元のそこそこに名の知れた高校に入学して
2年半が経ち、
中学の時に告白して
晴れてつき合えることになった安藤 翔夜(アンドウ ショウヤ)と
つい先ほど別れました。
翔夜は私の幼なじみで
小さい頃からよく一緒に遊んでた。
告白したのは私だったけど
お互いを好きになったのは
いつの間にやらで
自然な流れで付き合ったんだ。
別れたとは言っても
一緒にいた時間があまりにも長すぎて
実感がない。
恋人ではないけど…、
友達ってわけでもないような気がするし。
でも幼なじみだし。
他人ってわけでもないのかな。
不思議な気分だった。
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