【始まり】

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―夏の名残が完全に過ぎ、住宅地付近の木々は、わずかに色を付け始めていた― 「そろそろ…か。」 男の手は、しっかりと愛する妻の手を握っている。 「…幸福に…ございました。貴方のお傍にいられて…。」 女の表情は、どこまでも優しく、慈愛に満ちていてた。 そんな女の視線を受け、男も優しく微笑み返す。
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