【始まり】

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「…苦労をかけたな」 男の労いの言葉に、黙って首を振る。 「…いいえ」 「赦されるなら…来世も共に…」 そっと、女の髪を梳く。 「ええ…。いつまでも」 女の言葉を最後に、男は静かに目を閉じた。 そして、二度とその瞳が女を見つめる事はなかった。
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