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走って、走って、気が付くと、元来た道も分からなくなっていた。
(何なん!こんな目に遭わんなん程、私悪い事したん?)
遣り場の無い怒りや不安が極限に達し、美央は心の中で毒づいた。
膝を抱え、寺らしき建物の隅にうずくまる。
(…これから、どないしょう…。お腹減った…)
食糧や着替え、ましてや雨露を凌げる寝床すら無い。
考えた所で、帰り方もここが何処かすらも分からない美央にとっては、人生最悪の答えしか見つからなかった。
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