第一話‐混沌へのプレリュード

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文句を言いたい気持ちを抑えて、俺は携帯で時間を確認する。 ―8時25分― あと五分で着かなければ遅刻だ…。 「阿笠さん。始業式まであと五分しかないから、走って学校に向かうぞ!!」 「ちょっ、待って下さい。あなた…そんなボロ雑巾のような体で学校まで走って行く気ですか?」 彼女は、上から下までボロボロになった俺を見ながら言ってきた。 さすがの俺も、こんな無神経な事を言われて黙ってる程お人好しじゃない…。 「あのなぁ、そんな体って君がやったん…」 「あそこのマックに自転車を停めてるんで、それに二人で乗っていけばあっという間に着くと思いますよ」
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