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俺が文句を言い終わる前に、言葉は阿笠さんによって打ち消された。
(ん…?二人乗り?)
自転車に二人乗りする事を勧められたが、このボロボロの体で彼女を乗せて自転車を漕ぐのはムリがある。
「お待たせしました。」
「うわっ!?」
突然背後から声を掛けられ振り返ると、いつの間にか自転車を取ってきた阿笠さんが居た。
「さあ、乗って下さい」
「はあ?」
彼女の言葉に驚き、俺は一応聞き返した。
「いや…俺が漕ぐんだよね? 」
「いいえ、私が漕ぎます!さあ、早く乗って下さい! 」
「わ、分かった…」
あまりにも彼女が強く言うもんだから、思わずそう言ってしまった。
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