第一話‐混沌へのプレリュード

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俺が文句を言い終わる前に、言葉は阿笠さんによって打ち消された。 (ん…?二人乗り?) 自転車に二人乗りする事を勧められたが、このボロボロの体で彼女を乗せて自転車を漕ぐのはムリがある。 「お待たせしました。」 「うわっ!?」 突然背後から声を掛けられ振り返ると、いつの間にか自転車を取ってきた阿笠さんが居た。 「さあ、乗って下さい」 「はあ?」 彼女の言葉に驚き、俺は一応聞き返した。 「いや…俺が漕ぐんだよね? 」 「いいえ、私が漕ぎます!さあ、早く乗って下さい! 」 「わ、分かった…」 あまりにも彼女が強く言うもんだから、思わずそう言ってしまった。
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