Mission 0

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 彼女の短所は唐突に後先考えないまま、物事を思いつきで実行に移してしまう癖が あるところだ。本来なら、癖とは言わないのだが・・彼女の場合は異例なのである。  (いつも・・そうだ)  この日の彼女『久遠 優稀(くどうゆうき)』は満足げな顔をしながら自分の定位 置、生徒会長席に腕組みをし、鼻歌交じりで座った。彼女は篠宮学園の生徒執行部会長 である。  そんな優稀の様子を呆れた表情で見ていたのは、執行部の『白菊 菜依(しら ぎくなえ)』であった。彼女は、会長である優稀の幼馴染みでもあるので、彼女 の企みに薄々身の危険を感じていた。 そんなことを考えながら、菜依は不審な笑みを浮かべる優稀の前に立った。  「ゆきちゃん。どうして、そんなにご機嫌なのか・・理由をご説明ください」  「ご機嫌に見える?なぁーちゃん」  「えぇ・・気持ち悪いくらいに」  菜依は嫌な予感を覚えた。  そして、優稀は理事長宛の茶封筒を菜依の前に差し出した。  「なんですか?」  「なぁーちゃんのお爺様、理事長からの辞令・・」  優稀はそう言って彼女に渡した。 そして、菜依が茶封筒の中身を確認した直後、生徒会執行部に激震が走った。
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