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彼女はそわそわした様子で校内を歩き回る。
現代の便利機である携帯電話はこのゲームには重要不可欠な存在。
「結衣子！こっちだ！！」
周りには人気はないが、人目を気にするように科学室に招く彼。
「良平、今のところ・・・どれだけ捕まった？」
「・・・三分の一ってとこかな？」
携帯電話に届くメールに打ち込まれた捕まった逃走者名簿。
「ったく、執行部もやってくれるぜ。なぁ、結衣子」
結衣子と呼ばれる彼女は『向坂結衣子』。普通科に通う２年生だ。
そして、彼の名前は『上杉良平』同じく２年生。
「うちのクラスは俺ら以外捕まったみたいだぞ」
「成実、よく逃げきったね」
後から科学室にやってきたのは、『久保成実』。この二人のクラスメイトであり、幼なじみでもある。
彼らがいう、ゲームの始まりは３０分前と遡る。
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