いつか見た女の子

4/7
930人が本棚に入れています
本棚に追加
/2054ページ
しばらく歩くと路地が見えてきた。前を行く女の子達はその角を曲がって路地へと入っていく。 俺は正直ホッとした。 100メートルほど進んで(距離はだいだい)次の路地が見えてきた。 路地にさしかかろうとしたその時、目の前をさっきの女の子達がその路地から出てくる。 光の加減か顔が確認できなかった。怖かった。また無言で前を歩き始める… 俺はその路地の入り口で立ち止まって奥を見てみた。やっぱりさっきの路地とは通じていない。 さっきの路地とはだいぶ離れてるし、その間は田んぼ。田んぼのあぜ道を通ってくるのも無理。 田んぼと住宅のある路地とは1メートル以上高低差がついていて上がることなんか出来ない。 なにより俺は女の子がいなくなってから早歩きのペースに戻していたから、路地の奥まで行って田んぼに飛び降りて、真っ暗なあぜ道を走ってまた路地になんとかよじ登り、素知らぬ顔で路地から俺の前に出てくる、なんてこと出来ないはず。 そんなことを色々考えたら余計怖くなってきて、コンビニに行くのはもうやめようと思った。 とりあえず怖いから持ってた携帯で友人にに電話。出ない。他の奴にも電話。出ない。 しかたがないので電話するフリをして道を引き返す。後ろから女の子達もついてくる… 絶対ヤバイと思った。かなりの早歩きで歩いた。 さっき女の子達が入っていった路地の前を過ぎる時、その路地から女の子達が出てくるのが横目で見えた。 後ろにはいない。横から出てきた。 もう競歩なみに早歩き。なんとなく走ったらヤバイと感じてた。
/2054ページ

最初のコメントを投稿しよう!