小説はフィクションなんだから

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その時、Zの後ろから誰かが歩いてきた。 Aはその人影に気付き、目を向けた。 歩いてきたのはYだった。 Aが生きていた頃のYよりも随分とやつれたように見えた。 AはZから両手を離し、Yの方へ走った。 「死んだのか」 YもZと同じように一度だけ頷いた。 すると今度はYの後ろからXが現れた。 Aは驚いてYに訊ねた。 「どういう事なんだ。Xも死んだのか?」 Yは何も答えなかった。 Aが再びXの方へ目を向けると、今度はXの後ろに大勢の人間がいた。 Xの後にW、Wの後にV、Vから後の人間はAの知らない人間だった。
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