小説はフィクションなんだから

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Zはその日から変わってしまった。 生きる屍のように、毎日をただぼんやりと過ごすようになった。 当然、Zの周りの人間はその変化に気付く。 心配して声をかける者もいれば、Zと距離をとるようになった者もいた。 そんなZの変化を最も悲しんだのは言うまでもなくYだった。 自分の好きな人間が廃人のようになってしまうというのは、想像以上に辛い事である。 Yは次第に自分の殻に閉じ籠るようになった。 周りの人間とあまり会話をしなくなり、塞ぎ込んだように考え込む事が多くなった。
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