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今日は入学式。今日から私は青葉学園の中学生だ。式が終わって叔母さんの所に行く。
「何か、制服着るだけで見違えたわね」
「今日から中学生だもん。当たり前でしょ!」
私は新しい制服が好きだった。深緑のジャケット、白いシャツ、女の子は赤いリボンに灰色の細いチェックのスカート。
男の子は赤いネクタイと灰色のチェックのパンツ。
私は両親が居ない分、学費が半分でいいし、何しろ家から自転車で行ける距離で丁度良い。
あんまりお金をかけないで近くて制服の可愛い学校って事で受験した。
あんまり叔母さんに負担をかけないように学食もあるしね。
「これから教室でホームルームやるから帰ってていいからね。じゃあね」
「わかったわ。じゃあね」
叔母さんを見送って私は教室に向かった。
【1―A】
ここが私の教室だ。
初めての教室に入った。当たり前だけどみんな同じ制服。まだ少し変な感じ。
席はあいうえお順で私の席は一番後ろの窓側から二個目だった。
半分くらいが中学受験で入ってきた組で、もう半分は小学校からのエスカレーター組。因みにこの学校は大学までエスカレーター式である程度簡単にいけるらしい。
教室の雰囲気は何かみんなバラバラだった。小学組は友達と固まってたり、中学組はギクシャクした感じで挨拶したり、どこの小学校だった?とか話してる。
私は自分の席に座ってた。女の子同士のグループを作ったり馴れ合ったりするのが苦手だった。
両親の事件から……。
「はじめまして。私、沢田沙耶(サワダ.サヤ)。中学組。よろしくね」
私の目の前にいる沢田沙耶は綺麗な真っ黒なストレートの髪を二つに結んで、メガネをかけていた。メガネの奥の瞳は凄く綺麗だった。
そして可愛かった。
「あ、私は冬目光。季節の冬に目、ひかりは眩しいの光。……よろしく」
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