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「アタシ、里美。よろしくね。光って何か格好いいね!何ていうか野生っぽい?」
今度は野生か。しかもいきなり呼び捨て。ギャル系は私、苦手。
「あのさぁ、いきなり呼び捨ては無いんじゃない?一応、呼んでいいか聞いてよ」
東里美は、チッと舌打ちした。私は東の胸ぐらを掴んで立ち上がった。
「何、舌打ちしてんの?失礼じゃない?」
私の言い方は丁寧に言ったつもりだが、やってる事はチンピラっぽかった。
「あんた、私のお姉ちゃん知らないの?三年の東美桜(ヒガシ.ミオ)だよ。こんな事して……」
私は我慢出来なくて殴った後、回し蹴りを喰らわした。
「勝手に、お姉ちゃんに言い付けたら」
気が付いたら注目の的だった。……当たり前か。私は教室を出て行こうと思ったけど止めた。教科書を貰ってからにしようと思いなおし席に座った。
東里美は立ち上がりながらまだ私に喋ってきた。
「こんな事して…ヒッ!?」
私は殴る真似をしただけ。
「あなたと喋りたく無いの。話しかけないでくれる」
東里美は私を睨んでいた。別に睨まれても痛く無い。
沢田が側に来て、どうしたの?と聴いてきた。東里美はここぞとばかりに大きな声で、こいつがいきなり殴ってきて!と沢田に伝えていた。
「私は勝手に馴れ馴れしく下の名前で呼ばないでって言ったら、舌打ちしたから殴ったの」
回し蹴りもだけど……。
「二人とも落ち着いて、って冬目さんは落ち着いてるわね……。東さんもいきなり下の名前で呼ぶのは失礼よ。舌打ちするのもね。……冬目さん、いきなり暴力はいけないわ。お互いに謝りなさい」
「ごめんなさいね。東さん」
私は、さっさと謝った。
「……すいません。冬目さん」
東は渋々謝った。
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