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「痛っ!」
ぽん、と弾んだボールがこつん、と僕の頭に当たった。飛んできた方向を、頭を押さえながら睨む。
「ごめん、裕翔!!」
裕「室内でボール蹴らないでって言ったでしょ、山ちゃん!」
片手にボールを持ってもう一つの手を顔の前でごめん、ってするのは涼介。
山「ボールがあるとつい蹴っちゃうんだよね、痛かった?」
へへっと舌をだしていたずらっ子の顔してさぁ、僕の頭をぽんぽんってする。
裕「痛いってば、もー。被害被るのはこっちなんだからさぁ…」
僕が山ちゃんに甘いの知っててそーいうことするんだから。ほーんと困る。
山「だから、ごめんって」
山ちゃんは笑って僕の隣に腰を降ろした。ソファーが山ちゃんの重みに少し沈んで、僕は山ちゃんの方に傾く。
裕「次にやったら許さないから」
山「はいはい」
山ちゃんはボールを器用に回しながら僕の説教に答えた。絶対反省してないな、困った奴だ。
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