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「わ…すげぇじゃん」
「でしょ?もっと誉めてよ」
机に頬杖ついて俺を見上げるふわりとした笑みには自信が満ちあふれ、その余裕から紳士なオーラさえも見える。
「よく入れたね」
「楽勝だよ、薮」
机の上の紅茶を一口、喉に滑らせてから伊野尾は続けた。
「警察の管理なんて甘いもんさ。薮もすぐにわかる」
そしてまたふんわりと嘲笑う。
俺はこの謎めいた笑顔が好きだった。何事にも常に余裕で、未知なこの笑みが。
hacker=ハッカー
つまり、ハッキングが上手いやつのこと。伊野尾はたいていどんなセキュリティーも破れるし、情報もあっと言う間に集めてくる。
現場に行けば防犯カメラとか邪魔な物は全部電源を落として、ただのがらくたにしてくれる。
頼れるジェントルマン伊野尾。
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