鎖の先

出会い

僕の人生は人と比べたら面白い人生かもしれないが、僕にとっては退屈でたまらなかった。

亡き両親の形見のおかげで金には不自由しないし・・まぁほとんど今の育ての親に取られてしまったが、そんなのべつにどうってことない。

学力もそこそこというより人と比べたら上のほうだし、人の前では自分を偽るので友人関係にも困らない。

容姿も整っているほうだと自覚している。

でも、僕にはどうしても愛情というものが理解できなかった。だからこんなにも退屈なのだろうか？

退屈すぎるから今僕は暇つぶしに僕はクラブに来ている。

学校でも家でも良い人を演じているこの僕がまさか夜な夜なクラブに来ているとは思わないだろう。

ま、いつも縛っている髪もおろしているし、雰囲気も違うんだ。知り合いが見ても他人の空似と思うだろう。