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とにかく、雑音が酷かった。うるさくてうるさくてしかないから、僕はたまにここに来る。
ここは本当の意味でうるさいけれど、ここの雑音はある意味気持ちいい部類に入ると僕は思う。
「ねぇ、これから暇ぁ?」
ぼーっとクラブの片隅で酒を飲んでいると、2人組の女に声をかけられた。
露出の多い服を着た金の・・・あまり綺麗とはいえない二人組・・・はぁ・・逆ナンか。
「暇だと言ったら?」
あえて僕は仏頂面で言う。
その態度が気に入ったのか、女たちはキャーっと声を上げ楽しそうに笑っている。
「よかったらぁ、この後いっしょに遊ばない?楽しいことシヨ?」
そう一人の女が言い、自分の胸に僕の手を押しつける。
いやらしく・・ゆっくりと。
僕と目があった時、ニヤリと女は笑った。
はっきり言って趣味じゃない。
でも暇だ。
「いいよ・・。でも僕が帰るたくなるまで・・・黙っていてくれる?」
そう言い正面を向き再び飲み始める。
女たちは隣であまり静かとはいえない声の大きさで話している。
うるさいにもほどがあるな・・・。
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