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しばらく一人で飲んだ。
酒のせいか隣のうざったい女のせいかわからないが、今日はいつもより飲んでいないのに気分が悪くなった。
最悪だ…。
「ぅ・・気持ち悪・・。飲みすぎたか・・・ごめんやっぱ帰る」
女の子達にそう言って席を立つ。
「えぇ~マジィ。いっしょに楽しむって言ったじゃん」
思いっきり腕を引っ張り駄々をこねる女。・・めんどくさ。つか、うぜぇ・・・
「また今度」
そう言い残し乱暴に腕を解きさっさと歩いた。
まだ後ろでなにか言っていたけど、めんどうだから無視してやった。
「ったく、これだから女は嫌いなんだよ・・・」
そう呟き、髪をかき上げる。いつも縛ってるから髪が鬱陶しくてたまらない。
その時僕は髪に気を取られていて、全く前を見ていなかった。だからこっちに大量の酒を運んでくる奴のことに気付けなかったんだ。
「っ!!」
「ぅわっ!!す、すみませんっ」
こんな時に限って上手くいかないものだ。前をちゃんと見ていなかったせいで人とぶつかってしまった。
どうやら相手はここの従業員のようだ。酒を運ぶ途中で僕とぶつかったので当然二人とも濡れた。
・・・チッ、早く帰りたいのに。
「あ、あの・・・大変申し訳ありません。お怪我はありませんか?」
文句を言う前にご丁寧に僕の服を震える手で拭きながら謝られる。
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