灰色のソラ

第一章『姉妹のすれ違い』

　
─────────

とある高校の教室、休み時間。

依莉亜は、自分の席に座って、クラスメイトに宿題を教えていた。

依莉亜の席は教室の隅っこ辺り。
先日の席替えで、籤引きで決まったのだ。

この時間、依莉亜の周りには５人ほどのクラスメイトが集まっていた。

「依莉亜って何でも出来てカッコいいね」

依莉亜はこの台詞に苛立ちを感じていた。

それでも顔に出ないように、笑顔で。

今日も勉強を教えていた。